昨年、平成24年の一年間に交通事故により死亡した人の数は4,411人でした。
ここ数年、年間の交通事故死者数は5,000人を下回り、減少傾向にあります。
その一方、日本では突然の心臓発作で倒れ、命を落とす人の数は、年間約3万人と言われています。
これらの尊い命を一人でも多く救おうとの思いで普及が進められているのがAEDです。
自動対外式除細動器の英名の頭文字をとり、AEDと呼称されるこの機器は、突発的に発生した心室細動になった人の心臓に電気的ショックを与えて蘇生を行い、命を救う画期的な治療機器です。
通常、心室細動を起してから除細動されるまでの時間による救命率は、発生後1分以内に除細動に成功すると90%ですが、5分経過すると50%にまで低下します。
残念ながら、高度な救急体制の整備された日本をもってしても、救急車が現場に到着するまでの平均時間は約6分少々。
つまり頼みの綱の救急車が到着した時には救命率が5割を切ってしまうのです。
しかし、もし現場にAEDがあれば、救命率が8割~9割の時点で除細動させることができるのです。
この画期的な機器は、平成16年7月から一般の人達も使用することが可能となりました。
この機器の大きな特徴の一つに、これまで一度もこの機器を見たことも触れたこともない人にでも、操作できるような工夫がなされていることです。
ボックスから機器を取り出してから電気ショックを与えるまでの手順を全て音声ガイダンスで指示してくれます。
しかも、目の前で倒れている人に除細動が必要かどうかを自動にチェックしてくれる機能が付いており、除細動が必要でないと機器が判断した場合は、それ以上作動しないような仕組みになっています。
ご操作による2次的被害を最小限に防いでくれるとても賢い機器といえます。
それでも、実際に目の前で人が倒れ、心肺停止しているとなれば、周囲の人々もなかなか冷静でいることが難しくなります。
不慣れな治療機器を目の前にすれば、益々もっと動揺し、焦りも生じて、高性能なAEDも有効に使えないケースもあるようです。
このような勿体無いケースを少しでも減らせるよう、各自治体の消防署を中心に、正しい使用方法をレクチャーしてくれる講習会も開催され、事前に機器に触れたり試したりする機会も増えてきました。
今後は、学校の授業の一環でも積極的に講習を取り入れたり、企業の防災訓練では、必修項目にするといったことが出来れば更に改善が進められるかもしれません。
今現在、日本全国の公共施設を含む一般的な施設には、約30万台近くのAEDが設置されているそうです。
まだまだ普及数は少ないと思われます。一台30万円くらい費用も掛かりますが、色々な形で普及が進むことを願って止みません。
そして、旅館やホテル、商業施設といった出掛けた先の建物では、避難経路とAEDの設置箇所を先ず確認することが皆さんの中で習慣化されるようになれば、救える命が更に増えていくことと思います。